YouTube更新
久々のYouTube更新は、そろそろ再演したくなってきた作品を。
2018年「第2回箏リサイタル-放つ-」で終曲に演奏した権代敦彦 作曲の隠れた名作
「青色青光/黄色黄光/赤色赤光/白色白光op.87」です。
箏(青/白)と十七絃(黄/赤)を持ち替えながら進む4章からなる大曲です。
当初は、精神的にも体力的にも弾き切ることに必死でした。この作品に出逢い、新たな作品を書いて頂きたいと思い、2021年東京オペラシティリサイタルB→C で「十三段調〜13 Steps」という作品を書いて頂きました。
今ならもう少し違う弾き方、アプローチをしたいと思うようになり、今年度のリサイタルツアーのどこかの公演で演奏したいと思います。
「青色青光/黄色黄光/赤色赤光/白色白光op.87」権代敦彦作曲
阿弥陀経にこうあります。
「池中蓮華、大如車輪。
青色青光・黄色黄光・赤色赤光・白色白光、微妙香潔。舎利弗、極楽国土、成就如是。
功徳荘厳」
極楽国土には七宝の池があり、その池中には車輪の如く大きな蓮華が。青色の蓮華には青い光が、黄色い蓮華には黄い光が、赤い蓮華には赤い光が、そして白い蓮華には白い光がある。あるがままの光景があり、不自然がないということでしょう。どの蓮華も微妙(みみょう)でよい香を振りまいている。
この香を音にしたいと思った。
音も微妙(みみょう)で、香のように振りまかれた瞬間に、また消えさってゆくものです。曲は青、黄、赤、白の4つの章からなり、それぞれの色と光の蓮華から音の芳香が振りまかれ、人の上に、人と人との隙間に振りそそいでは消え………やがてこの空間に、そして聴き手の心の底に、その残響、残り香が堆積していくことをおもって。阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)にあらわれる箏。絃を奏でる金蔵菩薩は、恰も天楽のハーモニーを増幅し、地の音の香を振りまいているかの如くです。
[権代敦彦]
福永千恵子委嘱作品
演奏記録
2018年4月18日
「第2回 中島裕康箏リサイタル-放つ-」より
会場:浜離宮朝日ホール
演奏 箏・十七絃:中島裕康
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